スイープは、下のガードから上下を入れ替える攻防。パスガードは、上から相手の脚の防御を越えて、横などの位置を確保する攻防です。同じガードの場面でも、上の人と下の人で目指していることが違います。
技名が増えて混乱したときは、「動く前に上か下か」「動いた後に何が変わったか」に注目してみてください。この記事では個別の技の手順ではなく、練習や観戦で使える見分け方を説明します。得点の説明は、2026年9月8日に確認したIBJJFルールブックVersion 6.1に基づきます。
まずガードという位置を知る
ガードは、下の人が脚を使い、相手に横や頭側の支配的な位置を取らせないようにする状態です。仰向けだけでなく、座った形などもあります。脚を閉じるクローズドガード、相手の片脚を挟むハーフガードなど、形は一つではありません。
この場面では、下の人にも相手を崩す、上下を入れ替える、技につなげるといった選択肢があります。上にいる側も、ただ立ち上がればパスが完了するわけではありません。脚による防御をどう越え、その先で相手をどう制御するかが攻防になります。
ガードの名前と形を調べたいときはガードの用語一覧へ。ここでは名前を増やす前に、上下それぞれの役割を整理します。
スイープとパスを同じ場面で比べる
| 見るところ | スイープ | パスガード |
|---|---|---|
| 始める側 | ガードを使う下の人 | ガードに対する上の人 |
| 主な変化 | 下から上になる | 脚の防御を越えて位置を取る |
| IBJJFの得点 | 条件を満たすと2点 | 条件を満たすと3点 |
| 動いた後の確認 | 上を安定させたか | 横・頭側などを制御したか |
例えばAさんが下でガードを使い、Bさんが上にいる場面を考えます。AさんがBさんを崩して上を取ればスイープにつながります。BさんがAさんの脚の防御を越えて横を取ればパスにつながります。AさんとBさんは、同じ位置から違う課題に取り組んでいるわけです。
練習では「今日はどちらの役割から始めるか」を聞くと、説明が頭に入りやすくなります。最初に役割を決めて行う反復練習と、双方が自由に攻防するスパーリングは分けて考えましょう。
上下が逆転しても全てスイープではない
IBJJFのスイープは、ガードまたはハーフガードから始まることが条件です。マウントで押さえられた状態から相手を返して上になった場合、上下は逆転しても、それだけでスイープの2点が付くわけではありません。
こうした位置の回復は練習では大切ですが、「よい動きだったこと」と「得点の条件を満たしたこと」は別に見る必要があります。観戦でも、動いた結果だけでなく、その直前にガードがあったかを確かめると理解しやすくなります。
同様に、相手の脚が一瞬外れただけでは、パスの得点が確定したとは限りません。位置の保持やその前後の状況をレフェリーが判断します。「いまの動きに点が入らなかったのはなぜか」と聞くときは、始まりの位置も一緒に説明してみましょう。
技の暗記より、練習の目的を言葉にする
習った技の名前が思い出せなくても、次の3つを書き残すと練習を振り返れます。
- 始まりの位置:自分が上か下か、どのガードか。
- 今日の課題:相手を崩す、脚の防御を越える、位置を保つなど。
- つまずいた場面:どこまでは動けて、どこで止まったか。
例えば「下から相手を崩せたけれど、上に移る前に元の位置へ戻った」と伝えれば、指導者が確認する場面を絞れます。これは上達速度を競うための記録ではなく、次の質問を具体的にするためのメモです。
実際のつかみ方や体重のかけ方は、相手の姿勢や技の種類で変わります。文章を頼りに勢いで試すより、クラスで指導を受けながら、決められた動きと強度で反復してください。わからなくなったら一度止めて確認して大丈夫です。
よくある混同を整理する
テイクダウンとスイープは同じですか?
どちらも結果として上を取ることがありますが、立った攻防から相手を倒すテイクダウンと、ガードから上下を入れ替えるスイープでは、始まりの状況が異なります。どちらに該当するかは、一連の攻防と採用ルールによって判断されます。
ガードに戻す動きはパスですか?
いいえ。下の人が自分の脚を相手との間へ戻す動きは、ガードの回復として整理するとわかりやすくなります。上の人が脚の防御を越えるパスとは、目指す変化が逆です。
得点を知らないと体験できませんか?
体験前から全ルールを暗記する必要はありません。指導者に未経験であることを伝え、その日の説明を聞きながら参加しましょう。初心者の練習・体験ガイドでは、クラスで行う練習を紹介しています。
試合の得点全体は柔術のルール入門、無理のない通い方は初心者の練習頻度で確認できます。
出典:IBJJF公式ルールブック Article 4.2、4.6。サムネイルはテーマを示すイラストで、技の手順を教える図ではありません。
AとBは同じ2人です。誰が上にいるかと、脚の防御を越えたかを分けて見ます。
スイープ
始まり
変化後
Bがガードから上下を入れ替える。
パスガード
始まり
変化後
AがBの脚の防御を越える。上下の人は変わらない。
位置変化の概念図です。技の実演や得点判定の全条件を示すものではありません。得点には開始位置・保持時間などの条件があるため、大会の規定を確認してください。
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