ブラジリアン柔術(以下、柔術)は、打撃のない寝技中心の格闘技です。「体を動かす趣味として良さそう」と思う一方で、「ケガが多いのでは」「接触が多そうで不安」と感じる人もいるはずです。
この記事では、柔術を習うメリットと、始める前に知っておきたいデメリットを、柔術ジムの立場からも正直にまとめます。デメリットの多くは、道場選びと練習の仕方で小さくできます。
柔術を習う6つのメリット
殴られない・蹴られない
打撃がないので、顔や頭を打たれる心配がありません。苦しいときは、タップの合図ですぐに止まります全身の運動になる
初心者の練習でも5.3メッツと、ウォーキング(3.8メッツ)よりしっかり体を動かせます年齢や体格に合わせて続けられる
力より体の使い方で攻防するので、40代・50代や小柄な人も始められます上達が目に見える
白帯から青帯、紫帯へと帯の色が変わり、帯の中でもストライプ(印)が増えていきます仲間と居場所ができる
毎回相手と組んで練習するので、仕事や学校以外の知り合いが自然に増えます押さえ込まれても慌てなくなる
押さえ込みから抜け出して立ち上がる練習を、くり返し行います
運動量の目安は柔術でダイエットできる?、年齢や体格の不安は40代・50代から柔術を始めるには?と体力がない・体が硬い・小柄でも柔術はできる?にまとめています。
始める前に知っておきたいデメリット
| デメリット | 実際のところ | 小さくする工夫 |
|---|---|---|
| 指や耳のケガ | 道着をつかむので指を、押さえ込みでこすれて耳を痛めることがある | 握りすぎない、テープを巻く、タップは早めに、耳当てを使う |
| 体の接触が多い | 寝技なので、相手と体が密着する時間が長い | 見学で雰囲気を見る、組む相手の希望を伝える、女性が参加しやすいクラスを選ぶ |
| 皮膚の病気がうつることがある | 肌が触れ合うので、皮膚の感染症がうつることがある | 道着は毎回洗う、練習後はシャワー、傷があるときは覆うか休む |
| 費用がかかる | 月会費と、続けるなら道着の代金がかかる | 体験は0円、道着は体験のときに無料で借りられる |
| 上達に年数がかかる | IBJJFでは、大人は青帯で最低2年、紫帯で1年半、茶帯で1年を過ごしてから次の帯に上がる | 帯の色より、できることが増えたかで上達を見る |
| 打撃への護身には向かない | 打撃・武器・複数の相手を想定した練習はしない | 目的に合った格闘技を選ぶ。危ない場面では、まず離れる |
| 道着の洗濯が毎回ある | 汗を吸うので、練習のたびに洗って乾かす | 道着を預けて洗ってもらうドーギキーピングを使う |
ケガの予防は柔術のケガが心配な方へ、指のケガは柔術で指が痛いときは?、耳のケガは柔術で耳がわくのはなぜ?で詳しく説明しています。
IBJJFの大会では、計量のあとに皮膚の状態も確かめられます。皮膚に異常が見つかった選手は、うつらないことを示す医師の書類を求められます。練習でも、肌の異常に気づいたら先生に伝えて休みましょう。
向いている人・向いていない人
殴られずに格闘技をしたい人
組み合う攻防を、安全の合図つきで練習できます考えながら体を動かしたい人
技の順番や相手の動きを読む、頭を使う運動です長く続けられる趣味がほしい人
帯とストライプで、何年も目標が続きます
一方で、パンチやキックを練習したい人、相手と体が触れ合うこと自体がどうしても苦手な人には、ほかの運動のほうが合うかもしれません。ほかの格闘技との比べ方は大人が始める格闘技の選び方にまとめています。
デメリットを小さくする始め方
- 1
見学する
練習の強さ、先生の説明の仕方、参加している人の年代を見ます - 2
体験する
初回は技の練習を中心に。スパーリングは見学か軽めにできます - 3
週1回から通う
同じ曜日に通い、体が慣れてから回数を増やします - 4
ケガの予防を習慣にする
爪を短く、タップは早めに、よく使う指にはテープを巻きます
体験の準備は柔術体験の服装・持ち物と当日の流れ、費用の細かい計算は柔術の月謝・初期費用はいくら?にまとめています。
よくある質問
女性にとってのデメリットはありますか?
体の接触が多いことを不安に思う人はいます。マタドール柔術の高根公団では、毎週金曜に、青帯以上の男性が参加しない「白帯・レディースクラス」を開いています。詳しくは女性の柔術入門をご覧ください。
子どもに習わせるデメリットはありますか?
大人と同じく、指のケガや皮膚の病気には気をつけたいところです。キッズクラスは子どもだけで、遊びの要素を取り入れながら基本の動きから練習します。詳しくは子どもの習い事に柔術を見てください。
ケガが多い格闘技ですか?
関節技や絞め技があるので、ケガがまったくないわけではありません。ただ、打撃がなく、タップで止めるルールがあるので、練習の強さを守れば大きなケガは防ぎやすい競技です。怖さや不安については柔術は怖い?で答えています。
参考:IBJJF「Graduation System」(2026年6月11日版)、IBJJF公式ルールブック(8.2.5)